幽霊な存在

私は12年間もの間幽霊のような存在でした。 公共機関には行けず親から与えられた名前を名乗ることが出来ませんでした。 その機会は多々ありましたが、私には勇気が足りませんでした。 そしてそんな中で出会ったかけがえのない家族を失いたくなかったからです。 でもそれは本当の愛ではないだろうと言う人もいるでしょうが、家族ごっこでは確かにありませんでした。 自業自得ではありますが、小さい頃から親の愛を知らないというよりわからなかった私にとっては最初で最後の家族だ゜ったからです。 もちろん両親には感謝しています。 この世に産んでくれ家族に出会わせてくれました。 でもそんな母も5年ほど前に肺がんで息を引き取ったそうです。 最近になってそのことを知りました。 例えその時知ったとしても会いに行くことはその時は出来なかったでしょう。 破滅が待っているからです。 今思えばなんと親不孝なひどい人間だったと思います。 だから胃がんが転移して残りわずかな人生の父と妹は今でも私は死んだと思い肩を寄せ合ってこっそりと暮らしています。 私は人なんだろうかと何度も考えました。 でもなぜか実感がわかないのです。 生まれてこのかた感動で泣いたことはあっても悲しくて泣いたことはありませんでした。 しかし私の行いのため家族と離れ離れになったとき、初めて涙が止まらず声を出して何日も泣いてしまいました。 自分自身びっくりしました。 今でも家族のことを考えると涙が出ます。 体も心もズタズタになって苦労しているはずです。 しかしそんな私に対して優しい言葉など出るはずもありませんが、「今でも涙が止まらない」「がんばって」と声をかけてくれたのです。 ありがたい。 人のありがたみをつくづく感じます。 私は幸い世の中に出ることができました。 同じ空の下で暮らしている家族たち、いい夫婦に恵まれすくすくと育っているまだ逢ったことのない我が子。 再び再会できるのかはわかりません。 私の今後の生き方にかかっているのかもしれないし、そうでないかもしれないし。 でも私は心に決めています。 もう最愛の人を失いたくないから人として強くなろう 嫌なことから逃げるのは止めよう。 そして残りの人生を誠実に生きよう。 「どんなに辛くてもいつも笑顔で」 これが手紙で家族とした約束です。 出会ってくれて本当に「ありがとう」 そしていつの日かまた一緒に.................................................

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