かわいそう。だけど、幸せ！？

毎朝、散歩に連れていけと、
「ｸﾜﾝ、ｸﾜﾝ」
吠えて催促する愛犬コロが、今日は静か。

私が、玄関から出ても、犬小屋から出て来ない。

えぇぇ…、
コロ、どうしたの[?]

いつもは、小屋から出て、しっぽ振って、
早く連れて行けとせがむのに…。

コロ、具合が悪いの[?]

コロは、小屋の中で、顔だけ上げて、
なんか、せつなそうに、じっと私を見てる。

「コロ、出ておいで」

コロは、ノソノソと出て来た。

コロ…。
元気がない…。
心配だよ…。

って、

あれ～
コロ、くさり繋がってないじゃん。

コロは、もうすでに、その辺を走りまわってきたみたいなのだ。
ひっつき虫がいっぱいくっついていた。

コロは、悪い事をして、怒られるんじゃないかと、大人の顔色伺う子供の様な顔で、しっぽを丸めてる。

もしかして、
昨日の夜、散歩から帰った時、ちゃんと繋げてなかったのかも…。

たぶん、
コロも、今朝、繋がっていない事に気づいて、一人、
イヤ、一匹でお散歩して来たんだろう。

それにしても、
自由を手に入れる事ができる絶好のチャンスだというのに、
やっぱり、ここがいいんかい？

せめて、もう少し、自由を楽しもうとか思わなかったんかい？

一匹でのお出かけは心細かったんかい？

ひっつき虫をとってあげてる間中、
コロは、うなだれ、しっぽを丸めて、ちっちゃくなっていた。

「さぁ、コロちゃん！
一緒に行こうか！！」

散歩用のひもに繋ぐと、
コロは、うれしそうにしっぽを大きく振った。

今日は、いつもより、私のすぐ横で、
私の方を、ちょこちょこ見ながら、
幸せそうに、散歩を楽しんでいる様だった。

朝晩の散歩だけで、
後は、ずっと、くさりに繋がれて、
50cm四方の行動範囲の中にいるコロ。

なんか、かわいそう。

だけど、
一番、幸せに暮らせ場所なんだね。

ここでしか、生きていけないんだね。

かわいい。
コロ。