恵比寿駅には、東口と西口がある。
バスやタクシー乗り場とロータリーがあるのが西口である。
ロータリーを背にしてベンチが4つか5つ設置されている。
そのベンチのなかで、アトレからの長いエスカレーターを降りたところから一番近いベンチの一番左端、日比谷線駅へ向かう階段に近いベンチがある。
朝の通勤・通学の時間帯にいつもそのベンチに座ってる男がいる。
服装も姿勢も見ているところも同じように見える。
服はトップもボトムも全体的に同じような色、生成りを濃く、場合によってはオリーブドラブの色になじんでいる。
まだ9月とはいえ、上着をきると暑いと思われるが、シャツの上にきっちりいつも上着を着込んでいる。
前にボタンは一つもしめず、開け放たれている。
髪の毛は時間と人が自らつくりだすWaxできれいにカールしている。
髭はたまにはそるのか、仙人のような伸びきりではなく、カールする程度の長さである。
足元はアディダスとかナイキであるスポーツサンダル(正しいかな?)を靴下履きではいている。
靴下は、たぶん、恐らく黒、もしくは今は黒。
そした足を組んで、右足を左足の上にして、ベンチに少し浅く、ななめ左を向くような方向で座り、右手を頭の後ろにあて、やや左前方を目的もなさそうに眺めている。
これがいつものJR恵比寿駅西口の風景だった。
でも、今日は何かが違っていた。
違和感のもとは、その景色のなかにばあちゃんが入りこんでいたこと。
ばあちゃんというより、老婦人という方がぴったりするようなこぎれいな婦人。
白に紺の花柄のTシャツのようなものを着て、紺のスカートをはいていて、ソックスが白いのが印象的な婦人。
その婦人が、その男に一生懸命話しかけている。
結構距離も近い。
想像するに、夏場だから香は強烈だと思う。
でも、その婦人は気にするそぶりもない。
でも、話かけられている男は、婦人のほうを見るでもなく、いつもと同じ方向を見ていつもと同じようにしている。
ばあちゃん、鼻がきかないの?
後ろ髪をひかれる思いで改札に向かった。
ナンパ、家出した息子と母親・・・・・妄想はつきない
コメント
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空賊さんこんばんはお久しぶりです
文章構成すごいですね小説を読んでるみたい
学校行くときは日暮里から池袋でちょうど反対なので恵比寿に降りたことがないので・・・
家出してたら見つかってよかったですね
~RYU~
RYU
2012年09月08日
RYU さん今晩は(^-^)/
恥ずかしいって感じですね(*^^*)
本当に日記の積もり何でお手柔らかに(*_*)
山手線全く反対側を使ってます。
恵比寿駅~神田駅。
すれ違いも無さそうですね!