白黒映画の表示についての若干の考察

=昔の映画を、最近の表示デバイスで観る難しさ


チャップリンをテレビで観る時、正しい《色》で観るのは至難の技

何故なら、白黒のフィルムは正しく《無色》で、感光したフィルムは光の濃淡で構成され、色はつかない
一方、表示デバイスは光の三原色を元にあらゆる色を作り出すので、《白黒を、色を使って表現》する真逆のプロセスのため、悲しいかな、必ず何かしらの《色》が着く

家電屋で、白黒映画を一斉に再生したら、一つとして同じ白黒は無く、毟ろカラー映画に見えるはず

逆説的だが、カラー映画は色があるため、画の内容が散漫になり表現者の意図は隠れがちだ
白黒は色が無いから、集中すべきところに眼が誘われる

本来、それが演出であり、映画じゃない?

また、白黒フィルムは褪色現象が起こらないので、劣化が無い
カラーフィルム(特に一時期の)は、劣化が進んで当時のクオリティーを今再現るのは望めない

チャップリンの代表作品の一つ『街の灯』のラストカット、チャップリンの顔のアップ
あれを観る度に、映画の究極を感じる

表現と表示
製作者は技術の進歩にかまけて、大事な事、忘れかけてないか?

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