ある大御所女優の我が儘の報告

前記のお蔵入り映画、実はとんでもない大御所も出演していた

昭和20年代から映画に出てる方で、出演歴といい、波瀾の人生といい、正しく日本映画の生き字引の様な女優さん


その映画の仕事が来た時、実は1番会いたかった女優さんだった

キャメラが回っている時以外も常に女優さんで、
『私が初めて出た映画が黒澤さんの~』と、黒澤明との思い出を切々と語りだし、黒澤好き映画青年の自分は目を爛々と輝かせ聞いていたのだが、そこから段々現在の日本映画界の悪口に変わり、自分を使える人間が業界にいなくなったと噴飯し、
『アンタに言っても仕方ないけど』と締めくくる


ある時、マネージャー経由で呼び出され
『この部屋に、プレステ2が無いから用意して』と云われた
『え?DVDを観られるとかですか?ならプレーヤー…』
『いいえ、ゲームするのよ、私ゲーマーなのよ、ねぇ?』

結局、上がマネージャーと話し合った結果、用意はしなかった
またある日、
『私このホテル(飯塚)が好きじゃないから、変わりたい』
『どうしたんですか?』
『支配人が気に入らない』
『…代わりを探しますけど、ここがこの辺で1番立派ですし、共演者の方々も泊まっているので―』
『福岡に来たら必ず泊まるホテルがあるのよ、支配人と知り合いだからそこにして』
『何処ですか?』
『○○○ホテル(福岡市博多区)』
通うだけで二時間、往復込み込みで半日、そんな事に時間と人を浪費出来る訳がない、だが、プロデューサー達は真剣な顔で緊急会議を始める始末
確かに今の映画界、アンタを使える(扱える)人間がいなくなったな、と下っ端連中は呆れ顔

お蔵入りが決まった祭、他の役者達と違い、誰の前にも姿を見せずいつの間にか帰京していたけど、今思えば出演映画がお蔵入りするなんて、あのクラスの女優からすれば屈辱でプライドが傷つけられたのかもしれない


お会いする機会があっても、『アンタに言っても仕方ない』と無下にされるんだろうな

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