肺ガンの母[おばあちゃん] 第３話

我が家に来る事になった母。

私は、疲れて来るであろう母のため、布団を敷いて待ってた。

旦那は、仕事終わってから、母を迎えに行って来た。
だから、家に着いたのは、夜10時30分を過ぎていたのだ。

玄関にお出迎えすると、
母はニコニコしていた。

私…お母さん、お帰りなさい。

キョトンとしている母。

私…お母さん家だからね。
「お帰りなさい」なんだよ。

母…ただいま！
明るく言う。

私は、バイトから戻ったばかりの、息子の夕食、スパゲティーを作ってる最中だった。

私…お母さん、ちょっと待ってて下さいね。お茶入れますね。
あ、スパゲティー食べます？

母…美味しそうね！

母は、美味しい！と言って、スパゲティーナポリタンを、しっかり食べた。
お茶を飲みながら、笑いながら、みんなで12時過ぎまで、食卓で話ししてた。

私…疲れてないみたいで、良かったぁ？

母…車に乗ってただけだから大丈夫よ。
栃木は、空気が美味しいね。
久々にいっぱい食べた。
夕ご飯食べて来たのに…。

これが、忘れもしない、母が我が家に来た日の事だった。

この頃の私は、コンビニ早朝６時～９時までのパート。
そして、コンビニで朝食を済ませ、直行で他の所で２時頃まで。
あるいは、遅番の日は、一旦帰って、１時過ぎに家を出て７時まで。の２交代。
という、２ヶ所掛け持ちパートをしていた。

母を引き取る事で、早朝の仕事をどうするか？
という問題があったが、
一番下の息子（上２人は東京に出てた）がお世話してくれると言ってくれたので、任せる事となった。

息子は、専門学校生なのだが、マメな子で、旦那が転職をした８年前から、犬の散歩、旦那の朝食の面倒まで、やってくれていた。

だから、私は、息子に任せて早朝パートができたのだ。

母を引き取る事で、息子の負担は増えた。

私も、コンビニ終わると、家に戻り、母のお昼を用意してから、次のパートに向かう。
パートから帰ると、母とお茶したり、散歩をする。

遅番勤務の日は、
母を散歩させ、お昼を一緒に食べてから、仕事に行った。

寝ているばかりの母。

私…お母さん、散歩行くから、着替えて！

母…今日はいいわよ。
明日、行くから。

必ず言う言葉。

私…散歩しなくても、外にちょっとだけ出よう！

それでも、行かないと駄々をこねる母。

私…お母さんね、足腰弱っちゃって、トイレにも行けなくなったら、病院生活になっちゃうんだよ。
玄関先に出るだけでも、着替えて出ましょう。

毎日のよいに、同じ会話をしている。

着替える。というめり張りのある生活をさせたかった。
家の中にいたら、パジャマのままだから。

でも、この着替える。がまた大変。
何着ようかしら…。
から始まって、出掛ける前のトイレまで、１時間近くかかる。

それでも、外に出ると
「外は、気持ちいいわねぇ。
コスモス咲いているわ～」
と何やら見つけては、楽しそうにしてる。

そして、夕食の時間に、嬉しそうに、その話をする母なのでした。

しかし、時間に追われる必要のない母はマイペース。

朝、息子は、思った以上に大変な思いをしていた。

私は、いつも、息子の通学時間になると、
コンビニ仕事中に、自転車で駅に向かう息子を、気にして見てた。

しかし、
母が来てから、ギリギリ時間に、自転車飛ばして行く。

私…おばあちゃんが食べ終わらなくても、待たないで「行って来るね」って行きなさい。

と言うのだが、優しい息子は、ギリギリまで食卓にいるようだ。

こうして、私と息子の生活は、慌ただしいものとなった。

しかし、一人家族が増え、その分、家の中は、明るく楽しくなった。

**すみません[m(_ _)m]
母の事を書き出したものの、思った以上に長いものになってきています。

まだまだ続きます。
続きは書きます。

良かったら、続けて読んで下さいね