病院には、
妹が1日いてくれて、
2日目、長男と二人で10時頃行くと、
母はナースセンターの端っこで、
カーテンで仕切られたベッドにいた。
初日の夜中、母は暴れたようだ。
夜中に目を覚まし、
病院である事がわからなくなっていて、
点滴を引っ張ってはずしちゃたようなのだ。
カーテンやベッドに、血が飛び散ってしまい、
看護士さんにご迷惑をおかけした様だった。
そのため、
ベッドから離れようとすると、
ブザーが鳴る小さな機具を付けられてしまっていた。
血痰が止まらず、喉に詰まって苦しいらしく、
何回か、管で取ってもらっているようだった。
これは、かなり苦しいもので、
本人が、オェーって痰を吐き出そうとする。
管を喉奥に入れ込んで吸い取る。
というもの。
苦しそうで、私は見ていられなかった。
終わった後、お母さんは肩で息してる。
それでも、喉がスッキリして、呼吸は楽になるようだ。
私…先生、昨日は、何回取ったのですか?
今日は?
先生…昨日が3回で、
今日は、これで3回目です。
痰を抑える薬、ちょっと強くしましたので、治まるとよいです。
なんて事なのでしょう。
お薬もらうだけで、家に帰してもらうつもりだったのに…。
それでも、
夕方になったら、薬が効いたようで、痰が治まってきた。
個室に入った母の所に、
先生が、様子を見に来て下さった。
私…先生、どうなんでしょう?
痰が治まれば、連れて帰りたいのですが…。
先生…今は、薬で治まっていますね。
あまり食べれていないので、今の状態では難しいです。
もっと、食べれるようになればよいのですが…。
せめて、3分の1位は食べれるようになりませんとね。
私…お母さん、3分の1位、ご飯が食べれるようになれば、帰れるんだって。
頑張って食べようね!
母…食べれるようになれば、帰れるのぉ?
私…そうだよ。
頑張って、食べようね。
その日の夕食、
私は驚いた。
おかずは、ほとんど全部食べ、ご飯も3分の1食べた。
母…3分の1食べたかなぁ?
帰りたいなぁ~。
栃木はいいよね。
田舎にいるみたいよ。
母は、帰りたい一心で、
頑張って食べていたのだ。
しかも、
40年もいた東京ではなく、
栃木に帰りたい。と言っていた。
お母さん、
ご飯をいっぱい食べて、体力付けて、
栃木に帰ろうね。
私は、一人で帰る車の中、
母を乗せて、一緒に帰れる日が来る事を願わずにはいられなかった。
絶対、帰ろうね。
お母さん。
つづく
ハーフさん、
母は、本当に頑張り屋さん、根性のある人でした。
偉かったと思います