母は、最後まで、頑張ってよく食べていた。
アイスクリームとヨーグルトが大好き。
旦那の休みの日に、ドライブに行くと、
帰りには、必ずカップのアイスクリームを買って帰って来て、子供の様に食べていた。
母…棒のアイスだとね、食べ切らないうちに溶けちゃって、
手がベタベタになっちゃうのぉ。
そう言って、笑いながら、うれしそうに食べていた。
母は、糖尿がでてからというもの、甘いデザートは、気をつけて避けていたのだけれど、
先がないから、と開き直ってか、
栃木に来てからも、入院してからも、よくおやつに食べていた。
もともとが、甘党。
娘が、お見舞いに、シュークリームを買って来た時の事、
娘…ここのシュークリーム、美味しいんだよ。
モウロウとしている母に、娘が半分に切って渡すと、
モゴモゴしながら食べちゃって、手を出している。
娘…えぇ、おばあちゃん、あと半分も食べるのぉ
娘…おばあちゃん、すごいよ。
大きいシュークリーム、1個食べちゃったよ
蚊の鳴くようなか細い声で、母は言った。
母…食べないとね。帰れないからね。
おばあちゃん、ちょっと違うと思うんだけど…
それが、母が一人で物を食べた最後だった。
その日の夕食から、お粥になって、
スプーンで食べさせてあげなければならないほど、弱ってしまっていた
そのお粥も、2日後には、お水みたいなのになっった。
それでも、口だけは開けている。
入院してから、わずか1ヶ月。
たった1ヶ月で、こんなになっちゃうなんて…。
見ていて、辛いよ。
お母さん
つづく
コメント
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芽生ママさん、
母は、最後まで頑張って食べていました。
ママさんも、川に行けるように、頑張って食べて 下さいね
パセリ
2011年08月28日
akiさん、
「家族の絆」ですね。
母の看病を通じて、家族の絆は、すごく深まりました。
これは、母が残してくれた事ですね。
こうして考えると、この世の中に、無駄な事なんてないのですよね。
akiさん ありがとうございます