肺ガンの母[おばあちゃん] 第12話

母が亡くなる日
AM7時30分、
私は、母が寝ているかも知れないので、
いつもの様に、私の朝ご飯を持って、そっと病室に入った。
母は、上半身を起こしていて、私を待っている様子だった。
私を見ると、左手を上げ、ニコニコしながら、

母…いらっしゃい。

私…お母さん、おはよう。今日は、ご機嫌だね。

母…お母さんのご飯はね、これ(点滴)になっちゃったの。
パセリちゃん、朝ごはん、まだでしょう。食べなさい。

私…お母さん、ヨーグルトなら食べれる?
一緒に食べたいから、買って来るね。

母は一口食べると、

母…マズイ!
パセリちゃん、これマズイ!!

私…お母さん、お口、何か入っていませんか?

母は、アメ玉を舌にのせ、ベーっとだして見せた。

私…やだぁ、アメなんかなめていたらマズイですよ~
でもね、マズイってわかるんだから、まだまだ大丈夫ですね。

母は、笑いこけている。
二人して、笑った。

その日は、痰もなく、声もはっきりしていて、
母は、なつかしい昔の思い出話を、いっぱいいっぱいした。
それは、どれも、楽しかった事ばかりで…。

研修生が、朝から来てくれていて、一緒に、母の思い出話しを聞いてくれていたので、
なおさら、話しは弾んだ。

母は、とてもおだやかで、優しい顔をしていた。

いつものオプソが出ても、寝る事なくしゃべり続けていた。

母…パセリちゃん、お昼だから、何か食べなさい。

母は、すごくしっかりしていて、そんな気遣いもしてくれた。

私は、母が寝たら食べようと思っていたし、
こんな絶好調な母は久しぶりだったから、席を外したくなかった。

私…大丈夫ですよ。

母のお話は、ずっと、途絶える事なく続いていた。

PM2時頃
私…お母さん、アイスクリーム食べようか?

母…うん、食べる。

私は、ハ○○○ダッツを買って来て、母の口に入れてあげた。
母は、目を閉じて味わっているかの様だった。

母…美味しかった。ありがとう。

食べたのは、この一口だけだったけど、
母は、とても満足そうだった。

お母さん、
いっぱいいっぱいお話したね。
きっと、神様が、お母さんと私に下さった時間だったんだね。
私にとって、一生忘れられない、大切な一日になったよ。
お母さん
つづく

コメント

のびたさん、
私は、この日の母、この日の事は、一生忘れません。
私と母にとって、とても 優しい一時でした。
本当にステキな、神様からのプレゼントだと思っています。

パセリ 2011年08月29日

芽生ママさん、
お父様が…。
そうだったのですかぁ。
パパさんが、ご長男さんのビデオを見せに行ってくれて、良かったですね。
お父様、とても、うれしかった事と思います。

ビデオであれ、ご長男さんを見せてあげられた事、本当に良かったですねわーい(嬉しい顔)

パセリ 2011年08月29日

ハーフさん、
結局、私は、お昼ごはんを食べるのも忘れて、母との時間を過ごしました。
それこそ、トイレに立っても、急いで病室に戻ると、母はニコニコして、私を待っていました。
奇跡の時間としか、言えませんでした。

パセリ 2011年08月29日

パセリさん

こんばんは

そのときの光景が目に浮かびます。とても穏やかそうで和んだ顔です涙

人生って不条理ですね。パセリさんの愛とお母様の優しさが心に染みます

のびた 2011年08月29日

パセリさんこんにちはm(_ _)m
そうですね!このまま時間が止まって欲しいです!うちの父親が亡くなった時にはモルヒネで意識がありませんでした。長男が生まれたのは2月6日父親が亡くなったのは2月12日私と長男が退院して父親に長男を見せに行く日でした。ビデオで撮影したのを主人が先に父親にみせにいき、意識のない父親が2回手を叩いて、涙をこぼしたそうです。このまま時間が止まって欲しい私もそうおもいます。

2011年08月29日

うわぁ~、病室の情景が浮かんだ~ほっとした顔クローバー

お母さん、アメを見せたり、昔話をしたり。
お母さんとパセリさんが、楽しそうに笑ってる情景が浮かぶほっとした顔クローバー


寝ることなく話を続けられたのは、ホントに神様がくれた時間のように思えるねぴかぴか(新しい)


ここで時間が止まればいいのにね…

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