(紫陽花の季節)より Vol.7
『雨のカフェテラス』 words by レイン
ある土曜日の昼下り
過ぎ去りし君のことを想いギターを弾く
懐かしいメロディとともに
大人になり切れなかった頃の自分を思い出す
なぜ君の気持ちに気付かなかったのか
ふと気付けば窓の外は雨…
あの日と同じ6月の雨…
小さなカフェの窓ガラスを雨が流れ
歩道に咲く紫陽花が二人の心のように
滲んで見える
僕は雨の中、カフェを後にした
雨に濡れながら振り返るカフェの窓に
うつ向いた君が小さく震えて見えた
身体が熱くなり思わず君の名を叫ぶ
でも6月の激しい雨が僕を打つ
僕の涙と君の名を掻き消すように…
歩き出す僕の背中に君の視線を感じる
もうあの日には戻れない…
紫陽花色の雨が降る
僕の心にも…
君の心にも…
やがて君は紫陽花色に包まれ小さく消えた
二人の小さな恋とともに…
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