父親とウスターソース。

あのね、なんか、


うちの父親、

ウスターソースばっかし、かけるんだよねー。


うちの父親、かなり頑固で、


自分が、こうっ！！って思ってることは、

周りが何を言っても、全然聞かない。



なんか、

これ、明らか、醤油系でしょーっ、

っていうものでも、

迷わず、ウスターソースかけたりする。


それで俺、間違えてんのかな、とか思って、

『それ、ソースだよ』

って言うと、


チラッ、って俺の方を見て、

『お前の、それ、醤油だぞ』

って、


いや、わかってるよ、

別に、お互いのかけた調味料を

確認するために言ったんじゃないよ、


『それ、醤油かけた方がいいーんじゃないの』

っていう意味で言ったんだよ。



豚カツの時も、

母親が、とんかつソースと、ウスターソースを

持ってきてて、


父親が、たまに、

とんかつソースを手に取って、


あ、間違えた、みたいな感じで、

とんかつソースを置いて、

ウスターソースに持ち変える。


いや、間違えてないよ、

豚カツは、とんかつソースでいいーじゃん、


容器にも、スゴい、わかりやすく、ひらがなで、

『とんかつ』ソースって書いてあるのに。



それで、

豚カツにウスターソースをかけて、

そのままの流れで、

サラダにもウスターソースかける。


別のお皿に盛ってあるトマトにも、

ウスターソース。


なんか、トマト、

ウスターソースで、ドボドボ。


それで、俺が、

『このドレッシング、結構おいしいよ』

とか言っても、


返事もしないで、ウスターソースかけてる、

シカトかよっ、みたいな。



だから、なんか、父親が食事してるのを見ると、


『それ、オカズ、全部同じ味じゃねーの』

って、思えたりする。





でも、こうやって、

周りに何を言われても、


デンッ！！って座って、

おもむろにウスターソースをかける父親を見てると、



まるで、

『いいかっ、男ってのはな、世間の常識に流されたり、

周りに何かを言われて、自分の信念を曲げたりするようじゃ

ダメなんだぞっ！！

自分が、いいと思ったことは、とことん貫き通せっ！！

俺の背中を見て、立派な男になれっ！！』



って、

言ってるようには、全然見えなくて、



いいーから、いろいろ試せよ、

って思うー(´Д｀)