『あれ～いないな～』

前にさ、友達の子供、小学１年生の女の子なんだけど

その子の誕生日に、短い絵本を描いてあげた。


この子が主人公で、もう一人、俺の考えたキャラが出てくるんだけど。


このキャラは魔法使いみたいな大きな帽子をかぶってて、お絵描きをしてると天使みたいな小さな羽でパタパタ飛んできて


魔法のクレヨンで一緒にお絵描きをしてくれるっていう、単純な話。


このキャラ、ラベンダー色の衣装を着てて、胸と帽子にハートをデザインしたマークが付いてる。


で、この子がこのキャラをスゴい気に入ってくれて


だから、また絵を描いてプレゼントした。


お花畑にある大きな木の所で、この子がお絵描きをしてて


その木の上からこのキャラが舞い降りてきて、この子にフワ～って帽子をかぶせようとしてる絵。


そしたら、この絵もスゴい気に入ってくれて、部屋に飾ってくれた。






で、ある日、俺が友達の家に車で向かってたら

この子が友達二人と学校から帰ってきてるのを見かけた。


で、この子が通って帰る道を知ってたから、車で先回りして


車にあったクーピーの白で、あのキャラの衣装に付いてるハートマークを地面に大きく描いた。



で、ちょっと離れた所に車を停めて『気づくかな～』とか思いながら見てた。



そしたら、そのマークの所で、ビタッって立ち止まって、かがんで地面を凝視してた。



と思ったら、友達に慌ててバイバイをして、家の方に一目散にかけて行った。





で、少し時間をおいてから、友達の家に行ったら、この子が２階からかけ下りてきて


『ハーフくんも一緒に探してっ！今ね、〇〇君（キャラの名前）が近くに来てるんだよっ！あそこにこのマークが描いてあったのっ！』って。




俺が地面に落描きしたとは、全く考えないんだな～って、笑いをこらえながら一緒にベランダに出た。



もう、上見たり、庭を見たり、屋根を見たり、超真剣に探してる。


俺も一応探してるフリをした。


そしたら、俺の方を見て





『あれ～いないな～』
って。




もう、文章じゃ説明できないぐらい、超カワイイ～かった。



『〇〇ちゃん（この子の名前）が学校の行き帰り、危なくないように、見ててくれてるのかもしれないよ』


って言ったら『そっか♪』って、妙に納得してた。






あとで友達に事情を話したら大爆笑してた。