飛鳥山博物館『天明以来ノ大惨事』

文化の日で無料なので、紙の博物館の帰りに北区飛鳥山博物館に行く。北区の歴史がわかる何気に豪華な施設だ。貝塚や本物の人骨まで飾られている。滝野川にんじんや練馬大根と行った日本古来の野菜も知れて面白かった。

『天明以来ノ大惨事』という明治43年の水害についての企画展が行われていた。適当に観て帰ろうと思ったが、興味ある分野でもあったし、タイの水害、東北の津波における現代との情報の違いとか知れて、気づいたら1時間くらい集中して観ていた。

夕刊フジみたいに『治水』という水害情報を知らせる治水社が発刊しているタブロイド紙があったんだと驚いた。不思議というか、水害被害の境目が山手線の線路と全く同じ。東北の津波も、神社の前で止まってるところがほとんどで、後世に津波の位置を知らせるためにその位置に神社を作られたと分析されていた。山手線の線路の位置は魔を封じるところからとかと聴くし、水害の前から合ったので東北の神社のような位置知らせはないだろうが、山手線の線路の位置って結構、不思議で、意味があるのかも知れないなと感じさせられた。

『罹災者のための慰問会』というのが、この頃のボランティアにあたるものだった。慰問会の人が福引きや音楽、そして、字が書けない人も多い時代なので、手紙などを代筆してあげる代筆業というものをしていたそうだ。代筆業というのが、いかにもこの時代らしいなと思った。

10代の芥川龍之介が慰問会のメンバーとして出向き、『水の三日』という日記を書いている。被災者を見下した内容が面白かった。この時代らしい。あと、この時代らしいと思ったのは、被災者が救援物資をもらう時、泥に汚れた床に頭をつけてボランティアに「ありがとうございます」を何度も言って支援物資をもらう状況も書かれており、今では考えられないなと思ったw

この水害について書いた、夏目漱石、幸田露伴、志賀直哉、森鴎外の日記も面白かった。洪水でも入れ込んでいた吉原の遊女に会いに行く軍人だった志賀直哉の様相もよくわかる。水害で一休みしていても、綺麗な女が居たと書いている志賀直哉が面白かった。

良い企画展だった。

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