晩秋の夜なのに
外を歩いても寒くない
不思議な感覚だった
つい先だってマイダネクの収容所で凍えていたのが
そしてなぜか明るい空が見える
その下に巨大な大浴場の影が
スラブからラテンへというのはこういうことか
重たい雲から解放されることかと
彼は快適だった。
この分なら一晩中でも歩けそうだった。
ローマ帝国を作った人々は
こんな夜をビノ(ワイン)やディスカッションで過ごしていたのか
あの裸に布を巻いたような服装もうなずけた。
ビーナスの肉体も健やかで
満ち足りた彫像の数々も納得できた。
わけもなくうでを振って歩くのだった。
とってもピザがおいしいて思わん?
突然一緒になった大阪弁の女が言った。
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