今日も動き出せずに ぐずぐずしていたら
敬愛する山之口貘さんの誕生日であることを知る。
1903年 沖縄で生まれた。沖縄の詩人といっても、沖縄といっても広いのであるが、遠い記憶であると本島ではなかった記憶がある。
整理し切れていない本棚のどこかに 貘さん関連の本が埋もれてしまっている。
不思議と彼の詩集というのはこれまた記憶の限りであれば
持っていないが
職を失い、仕事を探している時に
彼の全集四巻の内 詩集以外は読んだ。
彼の散文は彼の生活に密着しているもので、東京の底の底を『詩人』としてどうどうと渡り歩いた姿にだいぶ助けられた。本人としては貧乏を種とした文章でいささか稼がせてもらっているという意識で書いたものであろうが。
そんな貘さんが結婚したのが40の時。娘さんが生まれたのは42の時。詩集はないが、幸い娘さんの本を発掘した。昨年の春であったか、再版されたものを衝動的に買ったのであるが眠り続けること一年有半であった。
この期におよび読んでみようと思う。
ウィキペディアによれば彼の先祖はトカラ列島から琉球へと移民したらしい。
貘さんも沖縄という日本の辺境から、アメリカに組み込まれ彼が存命中は日本に返還されることなくおわったが、
故郷を逃げるように東京に出てきて
『詩人』であることで彼は彼らしく、時代の狂気の中で精神の貴族と称えられる(多分彼は苦笑いをしていることだろう)生き方を可能にしたのであろう。
「たった一つの地球なのに
いろんな文明がひしめき合い
よってたかって血染めにしては
つまらぬ灰などをふりまいているのだが
自然の意思に逆らってまでも
自滅を企てるのが文明なのか」
誰かのエゴのために
誰かを犠牲にすることなど
痛みすら感じない
感じさせないのが
私たちが求めてきた文明なのか
それはおいても
貘さんの本を図書館にでも借りに出かけるか・・・・
口実がないと 動けない
それが大人か・・・・
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