川端康成「伊豆の踊子」

ブログのやりとりで川端康成読んだことないですね、と話が出たので、伊豆の踊子を本屋の検索器で探すと国語の先生が授業用に使う伊豆の踊子だけの薄い200円のがあった。挿絵がちゃんとあって、それも良かった。
結論から言うと、非常に良かった。女性のなまめかしさは描かれていても直接の性描写はなく他もいやらしくなく書かれていたり避けられたりで、それが早くに親を無くした作者の純粋さや思慮深さが現れていると僕には感じられて恐れ多い言い方では非常に僕好みでもあった。
この本はぜひ読んでほしいしあらすじはあまり書かない事にするけど、芸者の少女の誘いをあえて避けて一人で活動(活動写真か映画の事だと思う)を見に行くとわけもなく涙がぽたぽたと流れ落ちた、というシーンはおそらく有名で最初なので例えれば流し読み気味に文章の美しさを感じて読んでいたけどそこではたと目が止まって、僕までわけもなく涙が出てきそうになった。泣かなかったのは僕の性格の分。
文章も非常に日本語の良さが活きていて、知り尽くしたぶん多くの場面で意識していろいろと活かした文章。そんな勉強で言えば東大生(川端康成は実際に東大生だった)のような川端康成の文章も、時にこれも計算したり時には意識せず出る不完全な部分が愛おしく感じさせるのは僕だけか。

川端康成の最後は自らガス管をひねったようで非常に繊細さが現れていて、本当の意味で才能があった人なんだろうな、と思いました。そんな晩年の川端康成が芥川賞の選考で最終的に推したのが石原慎太郎の「太陽の季節」だったというのが僕は太陽の季節を読んだことないけど面白くて単純に見ても川端康成の人間的な自分にとっての良し悪し以外を見る懐の深さが現れているのかも知れませんね。太陽の季節がどういう小説かは深く知りません。

短いし素晴らしいし皆さんにぜひおすすめしたい本。ティーンエイジにも感動すると思う。さっき長い小説とはなかなか値打ちがある、と書きましたが、短い作品で心に残るものを描けるのもまた才能と値打ち。川端康成今度本屋で大量買いしたいな!

コメント

もねちゃんこんばんは!
これはぜひ読んでほしい!これを含めた500円ぐらいの川端康成の短編集しか本屋にないかも知れんけどこの話は40ページぐらいやし、げっと思うような描写がなく文章がとてもきれいやし。俺の買ったやつとは違うけど新潮文庫から最近出たらしいわ。
もねちゃんにやっとおすすめできる本が見つかったな、と思ったぐらいやから読んでみてな~

Hippy 2013年10月06日

ワタシも京都で舞妓さんにスカウトされたから

是非読んでみよう☆彡

いつもいい本の紹介ありがとう~(●^o^●)

とっても勉強になる~

 しろかわもね 2013年10月06日

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