しりとり。

小学生の時のお話～。


この頃、兄貴と同じ部屋で、寝る時は２段ベッドで寝てた。


俺が上の段で、兄貴が下の段。


兄貴は、ベッドの周りに本棚とか置きたいから、下がいいって。




で、ある日、寝る前に兄貴が


『なあ、しりとりしようぜ』


って。



で、始めたんだけど、兄貴３才年上なんだけど、ノンビリ屋だし、頭のキレも俺のが良かったんだよね。




で、俺『ル』で責めた。



『ル』の付くもので、小学生が知ってるものってあんまし無かったから。



ほとんどカタカナ系だし、いい加減、出尽くして。



そしたら兄貴が『ル』で反撃してきた。



なんか『どうだ～』


みたいな感じで。



だから俺、残しておいた必殺技を使った。



『じゃあ、ルール』



そしたら兄貴、無言になって。



あんまし長いから


『まだ？』


って言ったら


『うっせぇな、今、考えてんだよっ』


って。



で、しばらくしたら急に


『ルネッサンス』


って。



なんか難しいこと言うな～、って思って


『ルネッサンスって、な～に？』


って聞いたら


『なんか、外国のやつだよ』


って。



ふ～ん、まあいいやって思って俺が



『じゃあ、スバル、車のスバルだよ』


って。



そしたら兄貴が


『類似』



で、俺が、また、なんかスゴい難しいこと言うな～って思って


『えっ？ルイジ？ルイジって何？』


って。



『似てるってことだよっ！！いちいち意味とか聞くなっ！！』


ってスゴい怒るから、なんかおかしいな～って思って




ソ～っと下を覗いたら



兄貴、うつぶせで懐中電灯つけて



国語辞典、見ながらやってた。




スゴい、マヌケな姿だった。




で、兄貴が俺の視線を感じて、上を見て


目が合った瞬間、二人で爆笑した。



『おかしいと思ったんだよ、ルイジとか言うから～』


キャハハハハハ[拍手]


って。









これも今でも、兄貴に会うと必ず言う。


『お兄ちゃん、しりとり、国語辞典見ながらやってたよな』


それで、また二人で爆笑する。