La casa de milagro 奇跡の家

彼は市内に戻った。
ここ数日食事に通っているコメドール(食堂)へ行き
ポーリョ・アル・アッホやトルティージャなど数皿と
ビノ・デ・ラカサ(ハウス・ワイン)を頼んだ。

しばらくするときちんと白衣を着た少年が
料理を運んできた
栗髪をなでつけてある清潔ないでたちだった。
彼はバッソを空けて一息ついた。

話し相手もいない
ただ白黒のテレビが置いてある
なぜこの食堂の名前が「奇跡の家」
なのかわからなかった。

モッソ(ボーイ)の少年は、この東洋人を
さして珍しがるでもなく
生真面目にプレートを運んでいた。
グラシアス(ありがとう)、デ・ナーダ(どういたしまして)
覚えたての数語で意思が通じたように思えた。

テレビでは見慣れた映画を映していた。
ウィリアム・ホールデンが演じる朝鮮戦争の
恋物語だった。Love Is a Many Splendored Thing (慕情)
英語と西語なのにストーリーがわかるのは
有名なバック・ミュージックのせいだった。

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