西ベルリンの小ホテルは奇妙にモダーンな
コンクリートオ打ちつけの建物だった。
通りに出ても樹木の少ない無機的な空間だった。
なぜ人々はこんな抽象画のような世界で生きられるのだろう?
西ベルリンから東ベルリンへ
国境を抜けたのは地上高く走る列車だった。
遊園地の上を見に鉄道で走るよう
もう夜だったので西はネオンがまばゆかった。
東に入るとネオンが消えた。
しじまの夜に戻った。
それは彼の心に灯をともした。
外がまばゆくて潜んでいた内面の明かりが灯ったのだ。
ここを通過してまたポーランドへ
そこで見忘れた物がある。
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