忘れてはいけない事実。

TVの某局で深夜に、この度の“東日本大地震”のドキュメンタリー番組を観た。

東北地方の或る老夫婦が、交通手段の無い中、数日掛けて、徒歩で安否が

確かめられない“息子”の、勤め先の郵便局を訪ねて来たのだ。その街は、

大津波の直撃を受け、瓦礫の山と化し、コンクリート造の為に、かろうじて原型

を留めている、3階建ての郵便局は在った。しかし、瓦礫は3階までに達して

いて、大津波が、それ以上の高さまで覆い被さった事を物語っていた。老夫婦

は、『これじゃあなぁ・・・』と言い、暫くその建物を見上げていた。しかし、父親は

息子の名前を呼び続けながら、その瓦礫の中へと入っていった・・・母親が、

『お父さん、危ないから・・・』と、言っても、父親は意にも介さず、息子の名前

を連呼しながら、瓦礫の中を突き進もうとしたが・・・それ以上は無理だった。

そんな光景を、私は目の当たりにした事がある。私が、大学2年生の時に、

親友の一人が私に『波乗りを教えてくれ』と言った。私は『別にイイぜ』と了承

した。約束した日の朝4時に彼を迎えに行ったらば、彼の部屋には灯かりが

点いていて、彼が出て来た。だが、とても酒臭く『昨晩から呑み会があって

ずっと起きていた』と言うのだ。その時に、『そんな状態では、連れて行けない』

と、今の私ならば言えるのだが、若気の至りで『大丈夫か?』と聞いただけ

で、車に乗せてしまった。千葉のとあるポイントに着き、ビーチでボードの立ち方

を教えて、実際に海に入って私が彼のボードを押してあげたりして、波に乗る

タイミングを教えてあげた。『結構、イイ波が立ってるな』と、私は思ったが、

『初めてのヤツには、キツイかな?』とも思った。彼は元々、運動神経は

良かったので、午前中には真っ直ぐにだが、乗れるようにはなっていた。

昼時になり、皆で『昼飯を食おう』と言う事になって、ジャンケンで負けた友人

の一人が、近くのコンビニに買出しに行ったが、彼は『ビールだけで良い』と

注文していた。私も、特には気にしていなかった。そして、皆が一通り昼食を

摂り終わり、風もオン ショアになり、快適に波に乗れなくなっていたので、

私達の殆どは、海に入らなかったが、彼は『サーフィン、面白えなぁ!』『そうか

(笑)』と私と話し、海に入って行った・・・それが、彼と交わした最後の会話と

なってしまった。私は、心配だったので、一応彼の行く手を見守っていたのだが

・・・ボードから落ちた彼の姿が見えなくなった。私は『ヤバイ!!』と思い、即座

に、他の友人に声を掛け、ボードに乗って、慌ててパドリングをして、彼の元へ

向かった。ボード自体は沈まないので、足首とボードを繋ぐ“パワーコード”と

言うものがあるのだが、それを辿ると、彼が海中に沈んでいたので、私は何回

か潜り、彼を引き上げた。しかし、彼には、何の反応もない・・・私も波にのまれ

て、何度も彼を落としたが、必死に彼を引き上げようとした。だが、私自身が

溺れそうになり、終に彼の手を離してしまった・・・私は他の友人に助けられて

岸に辿り着き、激しく海水を嘔吐した・・・それから、どれだけの時間が経った

のか、覚えにないのだが・・・彼のご両親がやって来た・・・そして、彼の父親

は、腰まで海水に浸かりながら、沖に向かって、彼の名前を叫び続けていた

・・・私は、彼のご両親に謝るしかなかった・・・それと共に、酒を呑んでいた

彼を、海に入らせた事を猛烈に後悔した。その時の、彼の父親の姿は、未だに

忘れられない・・・ドキュメンタリー番組で、郵便局に居た筈の、息子の名前を

連呼している父親の姿を観て、改めて、そんな私自身の“過去”を再認識した。

“運命”と言うには、余りには過酷な現実は、当事者に取っては、到底受け入れ

難い・・・だが、無情に“時間(とき)”は過ぎて行き、やがて、思い出す事が少なく

なって行く・・・とても、悲しい事だが。

コメント

MEIJUちゃん、おはよう(^^)
コメ、ありがとう(^^)

まだまだ、これからだって

MEIJUちゃんにも、マブダチ
出来るヨ!!

別に、私がスゴイ訳じゃないヨ(笑)(^^)
他人との関わりを、増やして行けば、
マブダチも、自然と出来るヨ?

マブダチは、いざ!と言う時に、頼りに
なるからネ(^^)MEIJUちゃんも、頑張りなヨ(^^)

トモッチ☆ 2011年03月26日


Commentありがとう
ございますキスマーク
久しぶりのComment
だったので嬉しさ倍増
しましたるんるん★笑
マブダチたくさんいる
なんてすごいですねほっとした顔グッド(上向き矢印)
自分らは本当に友達が
少ないのでこれから
増えていけばいいなと
思いますがまん顔ハート

MEIJU 2011年03月26日


こんにちは!
お久しぶりです

すごい辛い過去ですね…
こういうとき何て
声をかけたらいいのか
分からないし
上手く言葉に出来ないの
ですが…友人の分も
トモッチさんが精一杯
生きなくてはいけませんね。
頑張りましょう!

失礼しました。

MEIJU 2011年03月25日

Takaさんへ。

コメントを、ありがとう。

そうですネ・・・その当時は、酷く自らを責めました。

しかし、亡くなった親友の父親に『○○君は、全く

悪くない・・・酒を呑んで海に入った、息子の

自己責任だから・・・』と言われて・・・すぐには、私自身も

納得は、出来ませんでしたが・・・毎年、彼の命日には、

必ず、お訪ねをして、彼に付いての色々な話しをさせて

貰って・・・もう、数十年が経ちますが、彼のご両親が

喜んでくれるのを見るに付け、安心できるように、なりました。

未だに、彼の命日には、実家を、訪れていますヨ(^^)

トモッチ☆ 2011年03月22日

こんにちはわーい(嬉しい顔)
今日は曇り空ですね
でも曇りの日は嫌いじゃ無いです
何故なら少しだけ
哲学的になれるから
トモっちさん
目の前で大切な人…を亡くしてしまう
とても辛いですね
私も日記に記しましたが23歳の時に母方の叔父を交通事故で亡くしましたが
流石に目の前では無かったのでトモっちさんのショックは
想像を絶します

2011年03月22日

るかさんへ。

コメントを、ありがとう。

そうですネ、海は確かに、私も大好きですが・・・

やはり、ナメテ関わると、大変な事態になりますネ・・・

その彼が逝った1週間後に・・・私は、勿論、一緒には

行かなかったのですが、やはり親友がまた一人、

波乗りに行って、亡くなりました・・・2週間の内に

2人の親友を、亡くしました・・・暫くは、ショックが大き過ぎて

波乗りには、行けませんでした・・・今回の“大震災”も

そうですが、“自然”は、いつ牙を剥くかも知れませんから、

るかさんも、気を付けて下さいネ(^-^;

トモッチ☆ 2011年03月22日

そんなことがあったんですね。
海は綺麗で癒してくれます。でも時に怖い所にもなるんですね!

僕たち一人一人気をつけなければいけませんね

ホントに時間は怖いです。時間が過ぎれば過去のことは薄れていく…
大事な思い出もいずれ…
そうならないことを祈るしかないですねexclamation&question

るか 2011年03月22日

不適切なコメントを通報する

最新ブログ

be amieの皆様へ。
be amieの皆様へ。
be amieの皆様へ。
“母親”と言う存在。