製作委員会の若干の考察

映画製作の際、よく『〜製作委員会』を立ち上げるが、これにはカラクリがある

映画製作には莫大な金がかかる(傍目には無駄にしか見えない金)、これを一つの会社では賄えないので、合同出資という形をとるわけだが、それらをまとめて製作委員会と明記するには経理事情も絡んでいる


いわゆる映画会社に資金力がないので出資者を募るわけだが、その大半は映画とは関係ない企業になる
映画ビジネスのノウハウがない他企業は、かなり緩い判断で金を出すわけだが、一方で映画界よりも真っ当なスキルがある一般企業としては、リスクを最小限に抑える手段を考える

それが製作委員会となる

例えば、ある企業が映画に投資する場合、企業名をまんま使って投資すると、税務署に申告しなければならない
もし、映画がこけた場合、これは赤字計上になる
株主からすれば、本筋と違う企業活動で株価が下がるのは言語道断だし、それが原因で倒産でもしようものなら目もあてられない

製作委員会の大半は、有限ないし株式会社になる
つまり、映画一本作る為に会社を立ち上げて登記する

そうすると、もし映画が売れなくても、会社を潰せば負債を背負わずチャラに出来るからだ
ま、リスク軽減というより責任逃れに近い

以前映画に投資し、三年ほど赤字計上するハメになったとある食品メーカーの幹部に聞いた事がある

『どうしてあの映画に金出したんですか?(完成した映画が余りにも酷かったため)』

『宝くじと一緒で夢を見たかったんですよ』

映画には、あらゆる夢が込められている

『…ま、二度と映画には手を出しませんけどね』
と、苦笑いしていたのを鮮烈に覚えている

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