本で泳ぎきる1220

本屋に勤務していると、
出版業界とは共闘関係にあると勝手に思い込んでしまう。
最近は、電子書籍の台頭もあり、
いつかは紙で読む活字は衰退してしまうのかな。
なんて懸念も感じなくもない。
僕自身、まだ電子書籍で活字を読んだことないので、
それに対する意見ができないのであるが、
頁をめくる感覚は紙だからこそ、
ということは大切だと思いたいんだけど…。

そういうわけで、
新創刊された文庫本はとりあえず手に取ってみる。
今回読んだ本は、

『口入れ屋お千恵 繁盛記㈠/桑島かおり』(富士見新時代小説文庫)

今月創刊された文庫シリーズ。
ライトノベルで有名な富士見書房が、
ライトノベルで活躍している作家たちで新感覚の時代小説を出す。
有名な作家(一般的にということです。)は参加してないけど、
その分、未知の楽しみを発見できるかも。
今回選んだのは、剣劇よりも人情劇を選んだ結果。
面白く読ませていただきました。

深川で女性専門の口入れ屋(今でいう民間のハローワークみたいなもの?)を営む千恵。
彼女自身もここにたどるまでのいきさつがあり、
人を大切にする口入れ屋としてわけありのお客が来客して、
彼女のひたむきで真摯な行動で問題を解決していく。

人間と人間の関わり合いが希薄になっている昨今、
人情時代小説は、忘れかけた人との関わり合いを見つめなおすのに、
有効な本なんだろなと思います。
優しい気分になって、明日に向かってほしいと思います。

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