伊良湖岬への弾丸サイクリング167.51キロメートル。

毎年夏がやってくる度に、ビキニの水着の女の子を連れて海やナガシマのプールに行きたいと、熱望しながら、はや20年過ぎていってる。

今年も、また無理そうだなぁ。

35度を越える酷暑の毎日が続いて、新聞やTVニュースで、毎日熱中症にならないように警告されてますが、ましてや自分が今回経験してしまうなんて。

過去に、サイクリングで知多半島1周を3回走破して、「いつか伊良湖までいけるといいね。」とサイクリング友達と話していたところ、彼から8月11日に出かけようとの誘い。

いつものことだけど、この時期に行かずに気候の良い春や秋に出かければ良いのに、懲りない彼です。

彼の仕事のオフの都合もあるけど、この暑い中ペダルをこぐのが好きだとか。

またまた彼の提案する集合時間が、JR大高駅前で午前3時。

「じぇ!じぇ!じぇ!」と、NHKの人気ドラマの言葉を発してしまうね。

自分は前日に予定が入ってなかったので、お昼には自転車屋さんに点検をしていただき、午後8時に眠り、午前1時に起きる不規則な睡眠時間をとりました。

点検と、空気を入れていただいて1050円。

車にくらべれば、ずいぶん安いね。

真っ暗で静かな深夜の道路を走って、JR大高駅に行ったところサイクリング友達のM君はすでに到着済み。

以前は、タイヤの小さな折りたたみ自転車に乗っていた時期もあったものの、今回娘さんがサイクリング好きのお父さんに、変速付きの自転車をプレゼントしてくれたとか。

JR大高駅前を午前3時5分スタート。

彼の新しい自転車のお陰と、深夜で交通がない道路なので、いつもより軽快に走り、名鉄聚楽園駅までやってこれました。

いつもなら、朝倉駅で右折して、知多市役所をみながら産業道路に沿って、新舞子まで走っていくのだけど、この時に限って、車の走ってない爽快感から、155号線を真っ直ぐ走り抜けてしまったのです。

それも、なぜか下り坂。

後から地図を見直して見ると、「坊の下」の交差点で155号線は右折してるのに、そのまま真っ直ぐ走ったため、海岸線を走らず、紗布里池の手前まで走り、そこで右折して阿久比町の地名を見つけ、自分たちの進路が狂ってるのに気がついたわけです。

ここまで来て、途中思ったのですが、午前4時前後の真っ暗の中、一人で歩いてる中高年のおじさんを、見かけること、見かけること。

明るくなってから散歩すればいいものを、家の中で、日の出を待ちきれないのか。

老人は、早朝目覚めてしまうとはよく聞くのですが。

それから、時計の方向磁石を利用して南下して、結局のところ知多半島を東西に横断して、JR半田駅に午前5時に到着になったよ。

ようやく空も明るくなり、JR半田駅を越えた最初のコンビニに休憩です。

冷たい水とおにぎりを購入し、軽い朝食を取りました。

距離計をみると30キロメートルを2時間で走って来たわけです。

20分ほど、コンビニで腰を降ろして休憩してしばらく半田市街を走っていたところ、「おはようございます。」と大きな声をかけられて、追い越すサイクリストがいました。

次の信号で止まっていたので、こちらからも「おはようございます。」と声をかけ、「どちらまで行かれるんですか?」と聞いたところ、「毎朝、通勤前の時間、近所を走ってるんですよ。」との答えが返ってきました。

そう言われれば、こちらはバックパックを背中に背負っていますが、彼は身一つで自転車にまたがってます。

元気な人だね。

今回、すれ違うサイクリストには、声をかけてもらったり、軽く会釈していただいたり。

手で、挨拶してくれるサイクリストまでいたりして、元気つけてもらいました。

20代の頃、バイクがすれ違うと、必ずピースサインした時代を思い出します。

名鉄河和口駅あたりになると、左に湾が広がり、水面が目に入ってきたよ。

海が近いよ。

まだ午前7時前なのに、顔にあたる日差しが強いね。

後ろに走っていた友達の存在が感じなくなって、振り返ると、彼の姿が見えなくなっていて、ずいぶん引き離したようだね。

魚市場の「魚太郎」を通過。

大きな駐車場は、早朝なので大きな空き地状態ですね。

「魚太郎」が越えると、ただひたすらなだらかな登り坂。

変速ギアを1番軽くして、ただひたすらペダルをこぐ。

長い登り坂の頂上の道路沿い右手にホテルがあるんだよ。

そのホテル以外は、何も無くて畑が続いてる。

師崎までの道でここが、辛いね。

この道を登りきると、下りになるから、後は身をまかせるだけ。

いつも、後ろを走る友達と距離があいてしまうと止まって、彼が追いつくのをその場所で待って、また出発の繰り返しだけど、彼との距離が離れたのは分かっていたけど、一気に師崎まで走り通してしまったよ。

知多半島師崎(もろざき)港のフェリー乗り場に到着したのが、午前7時10分。距離メーターは、60キロ前後 。

もちろん、汗びっしょり。

自転車を公衆電話の横のパイプとタイヤをチェーンで止めて、フェリー乗り場の建物に入るとしばらく忘れていたエアコンのオアシス。

フェリーの出港時間のチケットの値段確認して、自販機にまっしぐら。

よく冷えた水が1番美味しい。


あとアイスの自販機があったから、一つ買ってベンチで食べたよ。

友達は40分遅れで7時50分に、ようやく到着です。

伊良湖までの片道運賃は、1150円で、自転車を載せて1900円になります。

車にくらべずいぶんリーズナブルです。

「8時50分発ですが、20分までに、船尾の乗り場で待機して下さい。」との説明でした。

係のスタッフの人の指図で 、車より先に船尾のハッチから入場して、1番奥の右の壁面にもたせかければ良いとのことで、こちらも自転車を持ち込んでの乗船なので、不安だらけです。

スタッフの人がロープで、ハンドルにからめて固定していただけました。

他にも、サイクリンググループがもう一組。

自動車の乗船が始まったところで、私達は階段を上がって、たくさんの椅子の並んだ広い船室に入りました。

友達は、伊良湖に行くのも、師崎から伊良湖に行くフェリーに初めて乗船したので、好奇心であちこち行ったり来たりで、落ち着かない様子です。 

船室の椅子がほとんど埋まった頃、フェリーはゆっくり岸壁を離れ、景色が動き始めました。

私も、車では何度も訪ねてる伊良子岬ですが、自転車で横断しようという大胆な計画を実行する不安と、期待感で、心の中は正直落ち着きません。

天気が良いので、船室の窓から、日間賀島や、篠島がはっきり確認することができます。

三河湾は、自分の船でも何度も往来していたので、他の人より土地感があり、距離感もだいたいつかんでます。

船内では、伊良湖水道の隣に位置する神島の説明がアナウンスされて、友達は耳を傾けているようです。

師崎、伊良湖間は、40分の航行時間で渡れました。

フェリーから自転車を降ろし、伊良湖に始めてきた友達を、フェリーターミナルビルの中を簡単に案内し、

自転車に乗って、有名な観光スポットの恋路ヶ浜に。

せっかくだから、波打ち際まで砂浜を散策し、その後伊良湖岬先端の伊良湖灯台の近くまで歩くことになりました。

肌にあたる日差しはすでに強く、歩きながら日焼け止めを塗り直しながらの遊歩道の散歩です。

暑くても、お盆休みのせいか、いがいとたくさんの人が、灯台まで歩いてきます。

あれやこれやで1時間あまり、伊良湖岬の周りを案内した後、豊橋方面に向けてサイクリングのスタートだよ。

すでに時計は10時を過ぎ、太陽の位置も高くなってます。

私の正直な気持ち、35度の真夏日の炎天下のなかで、伊良湖、豊橋間の44キロが走破できるかどうかが、今回の1番のキーポイントで、不安材料。

毎回、この暑い時期に無謀なサイクリングプランを提案してくる彼に、少しは懲りて改心して欲しいと、常々思ってました。

ところが、よりによってその洗礼を受けてしまったのは、ここまでは軽快に走ってきた私自身でした。

伊良湖岬から10キロあまり走ったところ、ペダルをこぐ力が入らない。

それに加え、走破しようとする心が突然、折れてしまったのです。

少し立ち止まっていたのですが、歩いて自転車を引いて、コンビニの入り口前に、自転車を止め、よく冷えたミネラルウォターと、糖分を取るためにアイスクリームを買い、コンビニの駐車場のコンクリートの地面にへたりこんで、水とアイスを補充しました。
今から思えば、塩分も取る必要がありました。

膝からしたの足のふくらはぎの部分が、以上に汗をかいているのが症状です。

アイスと、水をとっても、今までのように力が回復せず、心が折れるという気持ちを、初めて経験しました。

熱中症であり、完全な脱水症状でした。

もう動きたくなかったのですが、コンビニや、自販機を見つける度に、ミネラルウォーターを飲み、自分をだましだまし、5キロほど進み、日本食レストランの涼しい部屋で昼食を取り、回復を期待したのですが、

携帯のバッテリーが充電しても、すぐ無くなってしまう状態に近いものを感じました。

一緒に並走してる友達に話しても、全く理解してもらえません。

彼からこのプランを提案されたときは、距離から考慮して、豊橋あたりのビジネスホテルで1泊すると話していたので、どこか旅館を携帯で予約して体を休めると離したところ、「予定より、1本早いフェリーに乗ったので、1泊はしないで帰りたい。」と全く耳を貸さないようす。

自分が経験してないことは、怖いことだと思いました。

「少し休み、休みしていけば、名古屋まで自転車に乗って帰れるから。」と一点張り。

259号線から、国道23号線に左折して少し走ったところで、どこでも良いから寝転びたいと思い、高架の日陰の粘土土の上に、周りの視線を構わず寝ました。

少しの間、そうしていたのですが、友達がいうにはラグーナの日帰り温泉に入れば回復するからというので、ゆっくりしたスピ-ドで、20キロあるラグーナまで本当に遠くに感じたものです。

ラグーナの入浴を済ました後、再び近くで宿泊する提案をいうものの、また受けてもらえず、自分は体調が悪いから、この先一人でサイクリングを続けてくれるようにお願いしたものの自宅まで一緒に走破しなければ、達成感を共有できないという始末。

体力とか、根性は、反対側に作用したときは、こんな形に作用するものかとつくずく思いました。

国道23号線沿いの側道に沿って帰り、豊明インターで彼に別行動していただけるようにお願いして、ようやく先に行ってもらいました。

私は、その場所で少し休んだ後、自転車を引いて歩いて、名古屋市内に帰宅したのです。

時計は、深夜午前2時をまわり、距離メーターは167.51キロメートルを指し示していました。

167キロとは、後でパソコンで調べたところ、名古屋市内から大阪市内の大阪城までの距離にあたるようです。

自宅に疲労困ぱいで帰り、汗まみれのズボンと自転車用スパッツを脱ぎ捨てて、洗濯機に入れて、洗濯始めたところ、ポケットに携帯電話が入ったまま
であることを気がついた次第で、電源いれても後のまつり。
水没させて、悩みを増やしてしまったよ。

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